「線路に物を落としちゃった!次の列車まで5分あるし、急いでるから早く拾ってよ!」
駅係員をしていると結構な頻度でこのような依頼をされますが、線路に一度物を落としてしまうとなかなか拾うことが出来ない場合も多くあります。
今回の記事では線路に物を落としてしまった場合にすぐに拾うことが出来ない理由について解説していきます。
列車の停止手配が間に合わない場合
個人的に一番多かったかな?と思う理由としては
列車の停止手配が間に合わない、です。
線路に落ちた物を拾う場合、ホーム上から拾う場合や一度線路に降りて拾う場合に関わらず、関係箇所に連絡をします。物が落ちている線路に列車が入ってくることが無いように停止信号とするよう依頼し、その操作の完了報告を受けてから落とし物を拾い上げる作業に取り掛かることが出来ます。そして列車が駅に接近していて既に信号を通過している、今から停止信号に切り替えると列車は急停車しなければならない。といった場面では信号の切り替えを行うことが出来ません。この為、拾う作業に入るまでに時間がかかることがあります。
「次の列車は〇分後だから余裕だろ!」
このようなことを言われることも多いですが、線路は駅の時刻表に書いている列車だけが走っているわけではありません。回送列車や通過列車、路線によっては貨物列車など様々な種類の列車が走っています。駅に停車する列車までは確かに時間があったとしても、それ以外の列車が接近している場合もあります。すぐに作業に入れないのはこういった事情もあります。
また、列車を停止させる信号について駅の窓口で操作することが出来ません。いくら改札口でごねられてもより作業を開始するのが遅くなるだけですので止めましょう。
列車の遅れにつながる場合
また、信号により列車を止めた場合にそれが列車の遅れにつながる場合は列車を走らせることを優先することが多いです。
列車の遅れは多くの方に影響が出ますし、本数の多い路線であれば停止させた列車の後に続いている列車まで停止や徐行運転を行う必要が出てくるため遅れが様々な列車に影響してきます。このような場合は列車の運転を優先させるので落とし物を拾うことが出来ません。
乗り換え等がある場合
乗り換え等に大きな影響がありそうな場合も列車の運転を優先させることがあります。
本数の少ないところであれば、列車を一度停めてしまうことで乗り換え予定の列車に間に合わなくなってしまうといったことが発生する場合があります。
また早朝深夜など列車の本数が少ない時間も乗り換えの時間に間に合わなくなったり、終電への乗り換えに間に合わなくなる可能性があるので、列車の運転を優先させることが基本です。
まとめ
線路に物を落としてしまった場合でも
- 列車の停止手配が間に合わない
- 遅れが出てしまう可能性がある
- 乗り換えに間に合わない
このようなことが発生する場合は列車の運転を優先させることが多いです。
線路に物を落としてしまった場合は予定の列車に乗れなくなったり、ないと困る物を落としてしまっているなど不安になったり、いらだつ気持ちも理解は出来ますが駅係員に強く当たっても駅係員もどうすることも出来ません。
線路に落ちない位置で使用するなどのご協力をお願いします。
また、点字ブロックの内側を歩くだけでも落ちる可能性はぐっと低くなるのではないでしょうか。
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