東京駅までの切符を買ったのに券面の行き先が東京都区内になっている。自分は大阪駅まで買いたかったのに切符が大阪市内になっている、間違ってるの?
このような経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。切符の券面がこのようになってしまうのは切符の制度が関係しています。今回は東京都区内、○○市内といった切符のメリットとデメリットについて紹介していきたいと思います。
メリット
都区内、市内の駅であれば距離に関係なく値段が同じ
東京都区内、○○市内として設定される駅までの移動であれば出発駅からの距離に関係なく値段が同額になります。
基本的にJRの切符の値段は距離が長くなれば長くなるほど値段が上がっていきます。しかし都区内、○○市内に設定されている範囲内の駅であればどこで降りる場合でも切符の値段が変わることがありません。
降りる駅を変更できる
行き先が東京都区内、○○市内となっている場合は最終的に降りる駅を東京都区内、○○市内に設定されている範囲内の駅で自由に変更することが出来ます。
例えば初めは東京駅で下車するつもりで切符を購入したけど、やっぱり新宿で降りたくなった。このような場合、新宿は東京都区内に設定された範囲内の駅なので特に精算の必要なく下車することが可能です。
デメリット
途中下車が出来ない
東京都区内、○○市内の切符では東京都区内、○○市内に設定されている範囲内の駅で途中下車することが出来ません。一度改札を通ると切符は回収されて戻ってくることはありません。
例えば大阪市内までの切符で天王寺まで行きたいと思っていた時、途中の大阪駅で一度改札の外に出てしまうと切符は回収となり、大阪から天王寺までの切符については別途購入する必要があります。
○○市内は特定都区市内制度と呼ばれる
この東京都区内、○○市内という取り扱いは「特定都区市内制度」と呼ばれ、日本全国のJRで11都市がこの制度の適用を受けています。
特定都区市内制度適用の11都市
この制度の適用となる都市は次の11都市です。
- 札幌市(切符の券面は「札幌市内」で中心駅は札幌駅)
- 仙台市(切符の券面は「仙台市内」で中心駅は仙台駅)
- 東京23区(切符の券面は「東京都区内」で中心駅は東京駅)
- 横浜市(切符の券面は「横浜市内」で中心駅は横浜駅)
- 名古屋市(切符の券面は「名古屋市内」で中心駅は名古屋駅)
- 京都市(切符の券面は「京都市内」で中心駅は京都駅)
- 大阪市(切符の券面は「大阪市内」で中心駅は大阪駅)
- 神戸市(切符の券面は「神戸市内」で中心駅は神戸駅)
- 広島市(切符の券面は「広島市内」で中心駅は広島駅)
- 北九州市(切符の券面は「北九州市内」で中心駅は小倉駅)
- 福岡市(切符の券面は「福岡市内」で中心駅は博多駅)
この特定都区市内制度としての「市内」と行政としての「市内」は完全に一致はしていません。
そのため利用する駅によっては特定都区市内制度の対象外となる場合、市内でなくても特定都区市内制度の対象となる駅がありますので注意が必要です。
制度の対象となる条件
この制度の対象となるのは東京都区内、○○市内の範囲内で設定されている中心駅から200キロを超える切符を購入する場合です。
まとめ
東京都区内、○○市内となっている切符は制度の中心駅から200キロ以上離れた場合に適用され、その制度の範囲内の駅であればどこからでも自由に旅行を開始できますし、終了できます。しかしその範囲内で一度でも下車してしまうと切符は回収となり再度使用することが出来なくなりますので注意が必要です。
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